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バップライフサックス教室 代表・テナーサックス奏者の髙橋浩明です。https://bop-life.info/





1972年2月19日ジャズ史上最悪の大事件が発生しました。僅か33歳の若きトランペット奏者「リー・モーガン」が一発の銃弾で命を絶たれたのです。




表題にも示しましたが何故か?偉大なトランペット奏者は早死が多いように感じます。

写真の天才トランペット奏者「クリフォード・ブラウン」はバンドのピアニストの妻が運転する車に同乗中に交通事故死。(25歳没)

他にも

ファッツ・ナヴァロ(結核とヘロン中毒により26歳没)。ブッカー・リトル(尿毒症の合併症のより23歳没)。




今回のblogでは映画化もされた「リー・モーガン射殺事件」に焦点を当て彼の死を悼み、何故事件が起きたのか?を考えてゆきたいと思います。







若くしてその才能を開花した「リー・モーガン」はクリフォード・ブラウンの再来と言われ、大御所ミュージシャンにも起用されていました。



アート・ブレイキー&ジャズメッセンジャーや、コルトレーン唯一のブルーノートレーベル作品「ブルートレイン」などで素晴らしい演奏を残しています。


彼が活躍していた1950年から60年代のジャズミュージシャンの殆どは麻薬に依存していました。

若きリー・モーガンもその一人で麻薬(彼の場合はヘロイン)欲しさに履いていた靴も売ってしまうことがあったそうです。





そんなヘロイン中毒から「リー・モーガン」を救ったのが恋人の「ヘレン」でした。

Trumpeter Lee Morgan and wife Helen in 1970. The couple's tragic story is the subject of the documentary I Called Him Morgan, directed by Kasper Collin.



献身的なヘレンの助けの甲斐があり、見事に復活した「リー・モーガン」。リーダーアルバムでも歴史的名盤を残しました。





順調と、みられた彼の人生。最期はすぐそこに迫っていました。




1972年2月19日はとても寒く、大雪であったそうです。




その日は、マンハッタンの有名ジャズクラブ『Slugs’』での演奏でした。セット間の休憩中に訪れたヘレンは、所持していた護身用の拳銃(リー・モーガンが渡していたそうです)でリー・モーガンを射殺。


大雪の為救急車の到着も大幅に遅れて、翌朝に死亡が確認されました。



ヘレンが一時的な、咄嗟の感情で最愛の人を撃ち殺す行動をとったとは考えにくいので、きっとリー・モーガン側にもヘレンの感情を踏みにじる行為(様々な女性と親しくしていたそうです。)があったのでしょう。



恩人に打ち殺された「リー・モーガン」は前途洋々であっただけにさぞかし無念であったでしょうし、献身的に尽くした挙句に裏切られたとはいえ、自分の感情を抑えきれなかった「ヘレン」も残念な人生になってしまったのでは無いでしょうか?


何れにせよ、「憎しみ」や「恨み」からは何も生まれないことを教訓にしたいと感じる事件です。